ligne roset2018
85/124

EGATROPER83文: アクセル・コルティリーン・ロゼの5カ所の工場、計118,000㎡の中では800人ほどのクラフトマンが世界中で販売される家具インテリアを製造しています。時には急ピッチで製造することもあり、ブリオードの工場では1日で何百台という大量のソファが作られることもありますが、工場には驚くほど落ち着いた雰囲気が漂っています。大きな窓ガラスからは山がパノラマのように広がり、ブリオードの村では教会の鐘が鳴り、牧場では馬がゆっくり歩いています。 作業場の自然光の下で女性が丁寧な手作業で「プルム」のソファカバーの縫製をしています。別の作業場では彫刻のようにカットされた美しいウレタンフォームがスチールのフレームに貼り付けされています。また別の作業場では職人の繊細で巧みな糸を引っ張るタフティング技術で、21世紀のチェスターフィールドのようなソファが仕上げられています。「私はブルレック兄弟とともにソファ「プルム」の開発に携わりました。その開発はまるで小説のストーリーのようでした!」とブリオードの工場責任者であるリュドヴィック・オーシェは語っています。「全体にカーブがかかったこのスチールフレームと、とてもやわらかくしかも耐久性のある特殊なウレタンの開発という難しい壁を乗り越えないといけませんでした。しかし私たちはこのような難関にチャレンジすることが大好きなのです。」 この特殊なウレタンの開発だけでも2年かかりましたが、とても成果のある投資でした。こ うして2011年に発売された 「プルム」は快適を極め、ベストセラーの1つである「トーゴ」と同じくらい人気が高まりました。この難関を乗り越え、複雑な製造プロセスをマスターしたおかげで、2016年にはフィリップ・ニグロのソファ「マナローラ」を開発することができました。このソファはベースから背もたれにかけてゆりかごのようにやわらかくカーブした木製フレームに、座面と背もたれが一体になっているように見えるクッションが取り付けられ、とても快適でエレガントに仕上がりました。 「技術革新はいつもデザインに革新をもたらす」とミッシェル・ロゼ社長がコメントしています。「プロジェクトを進める際は当然、成功させるためベストを尽くしていますが、時には失敗することもあります。しかし決してあきらめることはありません。」インガ・センペがデザインしたソファ「ルシェ」(2010年発売)の特殊なキルティングカバーが工場で2人のクラフトウーマンの手によって仕上げられています 。デザイナー自身がデザインを考える際、自分のミシンで何時間もかけ、試作を繰り返してようやく作り上げたキルティングカバーです。リーン・ロゼはこの巧みで複雑な縫製のカバーを大量生産できるような機械設備を特注しました。「ルシェのデザインやスタイルはライバルメーカーにも刺激を与えましたが、我々の技術革新によってどのブランドも真似することができませんでした。」とリュドヴィック・オーシェは話 しています。技術革新にはこ のような特殊な機械設備も確 かに必要ですが、リーン・ロゼ の成功にはもう1つのカギが あります。それは「時間」です。会社が研究開発には時間を惜しまず、慎重に進めることにしています。妥協することを知らないこの工場の中で今後の家具の歴史がいつも静かに着実に描かれています。未来を創る

元のページ  ../index.html#85

このブックを見る