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Carnet 219

Saint-Valentin au Château de Coudree Ⅲ

クドレー城でのバレンタインデー その3

前回に続いて、バレンタインデーにクドレー城を訪れたときのエピソードです。
20世紀の初めは、クドレー城の近くにある有名な温泉町Evian(エヴィアン/エヴィアンのミネラルウォーターで世界中に知られています)は、当時の多くの貴族、アーティストや詩人、小説家と音楽家を引きつけました。彼らは、エヴィアン市の滞在を兼ねて、クドレー城を訪れる習慣があったようです。

城の女主人マダム・バルトローニとその娘たちジャンヌとユージェニーの魅力もあり、たとえば有名な小説家マルセル・プルーストがユージェニーに完全に惚れてしまった、という説があります。プルーストの文学にも、ハッピーエンドにならなかったラブストリーが間接的に描かれているようです。確かにそのお城を訪問すると、どれほどロマンティックな時代であったことがよく想像できると思います。私は夫との結婚は30年以上になりますが、とても新鮮な感じで「今まで付きあって良かった」という気分になりました。

1955年に、バルトローニ家が城を去ってゆき、JeanとLudmila Laden(ジャンとルドミッラ・ラーデン)夫婦がクドレーを購入することになり、4つ星のホテルに変えました。とくに婦人Ludmila(ルドミッラ)は修復の作業に全力を尽くし、今でも彼女の写真がレストランの壁に飾っています。彼女は自分の財産と情熱もすべてそのお城に注ぎ込んだようです。それとその長い歴史の果てに、やがてハッピーエンドがあります。

実は、Ludmila(ルドミッラ)の孫であるCatherine(カトリーン)さんが、今のオーナーであり、レストランのシェフでもあります。彼女のシェフとしての才能のおかげで、クドレー城はグルメレストランになり、2000年から、フランスの有名シェフ、アラン・デュカッスが出版している大変プレステージのあるChateaux et Hotels Collection(ヨーロッパの城とホテルコレクション)のメンバーリストに加盟しています。

その豊かな歴史を聞かされた私たちは、まずはホテルのバーでシャンペンを飲み、乾杯をしました。そのバーは、レストランもそうですが、イタリアのルネッサンスの暖炉が備えてあり、壁や床も19世紀にスペインとイタリアから運ばれてきた家具で飾っています。その雰囲気はとても素敵でお話も盛り上がりました。それから、バレンタインディナーを楽しめることができました。

<シャトー・ド・クドレーのバレンタインディナーのメニュー>

Philtre d’amour accompagné de notre Foie gras du Sud Ouest confit, chutney et Toasts

恋が含まれているスープ(中身は秘密だが、フォアグラとメロンが入っているようです)、フォアグラ、チャトニーまたはトースト

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Croustillants de Langoustine et Bar et Saumon Bio, Bisque au Citron, Fenouil grillé

磯エビのクリスピー、スズキとシャケ、レモンビスク、焼きフェンネル

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Jardin de Légumes à la Truffe aestivum

夏のトリュフ付きの野菜ガーデン

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Filet de Cannette rosé, Betterave glacée au Miel et Vinaigre balsamique

カモのフィレ、はちみつとバルサミコビネガー漬けのレッドビーツ

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Sablé à la Pistache, Chibouste à l’orange Et crème glacée Noisette

ピスタチオのサブレー、オレンジのメレンゲ、ヘーゼルナッツのクレームグラセー

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Mignardises
お菓子

メニュー全体がとても美味しく、新鮮なお魚や野菜が使われており、お魚料理やカモはわりとあっさりしており、日本人の口にも合いそうな料理だと思いました。サービスも良く、お友達と色々お祝い、おしゃべりをし、素晴らしい一時を過ごすことができました。翌日の朝ご飯もとても豪華で、同じところで泊まったお友達と一緒に楽しむことができました。朝食用の部屋も素晴らしく修復され、爽やかな雰囲気でした。

こういうバレンタインデーの過ごし方は大変気に入り、また今度は違うところへ行ってみよう、とお互いに約束しました。そして私は、何よりも素敵なバレンタインを設けてくれた夫に、感謝の気持ちでいっぱいでした。

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お城の修復に全力を尽くし、今のオーナーの祖母であるルドミッラ・ラーデンさん。
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アペリティフを飲んだ部屋です。ルネッサンス式の暖炉はイタリアから、天井のビームはスペインから運ばれてきたようです。
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オーナーを兼ねてシェフをしているカトリーン・ラーデンさんは、親切にお城の歴史を説明してくれて、食事の時にも挨拶にきてくれました。
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バレンタインディナーのメニュー
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翌朝、お友達と一緒に、素敵なブレックファーストルームで豪華な朝食を楽しむことができました。また来年のバレンタインもどこかにでかけよう、という話もお互いにしました。
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