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Carnet 224

Geneva Music Festival and Flamenco Part-2

ジュネーヴの音楽祭、そしてフラメンコ その2

前回に引き続き、今年6月末にジュネーヴ市で行われた音楽祭についてのエピソードです。

今年は私も「フラメンコダンサー」としてジュネーヴの音楽フェスティバルに参加するようになったので、それも皆さんにご紹介したいと思いました。私は3年前ぐらいから、フラメンコのレッスンを受けるようになり、大好きになりました。それを踊ると、自分の気持ちや思いをそのまま表現できるような感じがします。とても大事にしている趣味で、いや、趣味というよりも、「自己表現」の方法として大切にしています。

フラメンコはダンスばかりではなく、音楽と歌もとても美しいと考えています。フラメンコは南スペインに由来し、地理的にヨーロッパと東洋の交差点にあり、インドからスペインに移動した遊牧民ジプシーを初め、様々な文化の影響を受けている、非常に多面的なアートです。「ハーフ」の私にとって、様々な文化に基づいている自分の感受性が表現できる気がします。

もう一つは、フラメンコは女性に対して、もっとも相応しいダンスの一つではないかと思います。つまり、女性の力、プライドと魅力を非常に自然な形で表現できると思っています。男性中心のスペインでも、フラメンコは常に女性を中心にし、女性の美とパワーを称えています。

最後は、フラメンコはどんな年齢でも、どんなレベルでも、踊れるダンスです。技術的に非常に難しいダンスですが、技術が素晴らしくても、表現力のまったくないダンサーがいるとともに、技術が下手でも、表現力が素晴らしく、その人のダンスを見れば視線をはずすことができないようなダンサーもいます。つまり、フラメンコには不思議な、神秘的な魅力が含まれていると思います。

私はまだ初心者でなかなか上手に踊れないのですが、ダンスの技術は身に付くまでに、何年間もかかるようで、下手であっても、十分楽しもうと決心しました。ジュネーヴで素晴らしいフラメンコの先生に巡り合えたこともあります。

彼女はAna la China(アナ・ラ・チーナ、つまり「中国人のアンナ」)というニックネーム〔アーティストネーム?〕があり、つまり半分中国人、半分スペイン人の方です。アジアの血も流れているからかもしれませんが、小柄でスタイルは繊細でありながらとても迫力のある、素晴らしい表現力を持っていらっしゃる方です。優れた優しい先生でもあり、私は毎週彼女のレッスンを受けています。彼女はかなり有名なダンサー、歌手でもあり、ヨーロッパ全体でショーを行っています。

彼女のパフォーマンスのビデオをご覧になってください。フラメンコを自分なりに解釈し、男性の歌手とミュージシャンに応援されている彼女の姿は、本当に素晴らしいと思います ! 彼女のような素晴らしい教師に巡り合えたことは、とてもラッキーで感謝しています。
パフォーマンス・ビデオ「Sonido Negro I」はこちらから 
パフォーマンス・ビデオ「Sonido Negro IV」はこちらから 

そしてAna la Chinaは、様々な生徒を指導しているので、毎年音楽祭りの際に、各クラスのダンスショーを主催しています。その生徒たちのパフォーマンスは、特別なダンススクールのステージで行われ、つまり踊っている人はすべてダンスの生徒で、見てくれる人も、その生徒の仲間や家族が多く、下手でも快く応援してくれる、とても温かい雰囲気で行われているショーです。 (次号に続く)

連載コラム写真
今年のジュネーヴ音楽祭のポスターです。その著者はNicola Todeschiniと書いていますが、私の家族と全く親戚関係がなく、偶然です!
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1985年にパリの音楽祭の際に作成されたポスターです。有名な漫画家・カートゥーンニストTomi Ungerer トミ・ウンゲラーが作った、音楽の楽しさと価値を大変見事に表現していると思います。
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様々な音楽やダンススクールの、大学があるバスティオン公園の中のステージです。学生バンドが演奏しています。私たちもフラメンコを踊った同じステージで、意外に多くの観客が来てくださいました。
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私のフラメンコの先生、Ana la China (アナ・ラ・チーナ)。とても小柄でエレガントでありながら、彼女のパフォーマンスは非常に野性的で、迫力があります。彼女はフラメンコの生誕地であるセビリアでフラメンコを習い、ダンスも歌もマスターしています。ヨーロッパ全体でショーを行っています。15年前から、ジュネーヴでフラメンコの先生を務めており、生徒に愛されている先生です。評判によれば、彼女は誘惑、エロス、野性的な力、優美と優れた表現力を融合しています。
連載コラム写真
フラメンコのレッスンの最中です。ダンスショーの前のリハーサルで、皆が必死にAnaさんの思考を聞いていました。
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