

該当者なし
※多くの応募をいただきましたが、残念ながら今回は該当者なしとなりました。
また佳作は6名の方を選ばせていただきました。
今回のエッセイコンテストは第6回目を迎え、たいへん多くのご応募をいただきました。ただ残念ながら今回グランプリ該当者はありませんでした。
奈良県在住のR・Sさんの作品「幸せになる壁紙と家具は『アメリ調』」は、少女時代に出会った「リカちゃん人形の家具」が、大人になった現在も家具選びに影響を与えているという出だしに、まず引き込まれました。その後、占いによって自分の好みの色と「幸運色」とは異なることを知り、ショックを受けたくだり。そして、フランス映画『アメリ』の中に登場する部屋のセンスに憧れ、インテリアの要となっている赤い壁紙は、映画の制作スタッフがその場で描いた、この世に1点しかないものだったと判明していくプロセス。どれも興味深いエピソードが続き、たいへん面白い作品となっています。
ただ、残念なことに濃いエピソードが多すぎるため、かえって作品としてのまとまりを損なってしまっているように思います。特に占いの「幸運色」「凶運色」についての説明は、あまり深く触れず、短めにまとめ、メインテーマである「アメリの家具」の話題に早くもっていったほうが、焦点が明確になりました。この点さえクリアできていれば、R・Sさんの作品は充分にグランプリを狙えたと思います。
同じく準グランプリ、東京都在住Y・Aさんの作品、「無題」は、脳裏に描いていた理想の椅子に出会い、それはまるで恋の激情のように自分が魅了される様子が描かれています。絵を描くという職業柄、椅子との関わりは一般の人以上だとしても、常軌を逸していると判断されかねないすれすれの思いが表現され、似たような職業にある審査員一同、大変興味深く読ませていただきました。
そのほか佳作作品の中にも、ユニークかつ興味深い作品は多くありました。E・Mさんの作品、「引っ越しの達人?」は、これまで移り住んだ家の様子を淡々と、だけど家の匂いまでが漂ってくるような表現力で読者を引き込みました。大変上手な文章なのですが読点が少ないために読みづらく、もう少し読み手のリズムを計算して再構成されたら、間違いなくもっと上位を狙えたと思います。
R・Kさんの作品「大きな家具」は、関西弁の人の会話が上手に挿入された、たいへん魅力的な作品でした。「古女房と肩寄せ合って」のK・Wさんは、第5回のコンテストでも「マッチ擦りの男」という作品を寄せてくださり、並々ならぬ力量を感じます。いつも最終選考に残る方なので、次回はもっと上位を目指し、ぜひまた参加していただきたいと思います。佳作に選ばれたそのほかの3作品も、個性豊かな味わい深いものばかりでした。
今回、作品を寄せてくださった多くの方々に、審査員一同心より感謝いたします。