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前回に引き続き、ロゼ社が手掛けた高級ホテル、インターコンティネンタルについてのレポートです。
インターコンティネンタルホテルの魅力とは、歴史的で伝統的な建物と外観、そしてコンテンポラリーな家具との融合にあると思います。デザイナーのニュエル氏によれば、そのホテルは元々病院であったことというのは、つまり病人、社会の弱者、貧しい庶民に使われたことで、その本来の機能を忘れてはいけない、とおっしゃっていました。
つまり、キラキラひかる、派手な贅沢を避けて、控えめなインテリアや家具をデザインしなければならないと決心し、その方針を徹底的に守ったと思います。そのためラグジュアリーホテルの様々な機能や快適さを提供しながら、控えめで、 落ち着いた雰囲気が漂っています。
その病院の中には、元々教会もありました。つまり、健康の回復のため、または亡くなった人を追悼するために、多くの人々が礼拝堂で祈っていました。ロゼはその歴史を意識し、修道場のような佇まいも十分に感じられる空間にしました。それを作り出すために、リヨン市の職人も関わり、カーテンやクッション材など、非常にエレガントでありながら少し地味で慎み深いムードを提供しています。
そのホテルはロゼコントラクトのノウハウを見事に表現している、フランスの歴史と文化の魅力も表していると思います。
https://www.intercontinental.com/hotels/fr/fr/lyon/