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Visit Hotel Intercontinental in Lyon, January 2020 Ⅲ

リヨン市のホテル・インターコンティネンタル視察、2020年1月 その3

前回に引き続き、ロゼ社が手掛けた高級ホテル、インターコンティネンタルについてのレポートです。
インターコンティネンタルホテルの魅力とは、歴史的で伝統的な建物と外観、そしてコンテンポラリーな家具との融合にあると思います。デザイナーのニュエル氏によれば、そのホテルは元々病院であったことというのは、つまり病人、社会の弱者、貧しい庶民に使われたことで、その本来の機能を忘れてはいけない、とおっしゃっていました。
つまり、キラキラひかる、派手な贅沢を避けて、控えめなインテリアや家具をデザインしなければならないと決心し、その方針を徹底的に守ったと思います。そのためラグジュアリーホテルの様々な機能や快適さを提供しながら、控えめで、 落ち着いた雰囲気が漂っています。

その病院の中には、元々教会もありました。つまり、健康の回復のため、または亡くなった人を追悼するために、多くの人々が礼拝堂で祈っていました。ロゼはその歴史を意識し、修道場のような佇まいも十分に感じられる空間にしました。それを作り出すために、リヨン市の職人も関わり、カーテンやクッション材など、非常にエレガントでありながら少し地味で慎み深いムードを提供しています。
そのホテルはロゼコントラクトのノウハウを見事に表現している、フランスの歴史と文化の魅力も表していると思います。
https://www.intercontinental.com/hotels/fr/fr/lyon/

連載コラム写真
ホテルのウェブサイトで見た写真ですが、ホテルのsuite room(スイートルーム)です。リーン・ロゼのブランドパワーがよく分かる、上品でエレガントなインテリアだと思います。一度は泊まってみたい、と思いました。
連載コラム写真
レストランやドームにあるバー以外は、やや地味で厳粛な雰囲気の場所が十分残っています。例えば中庭と廊下は昔のままで、とても静かでしっとりとした場所でした。
連載コラム写真
廊下を歩くと、昔の修道院の生活を思い出されました。
 
連載コラム写真
病院としての様子もちゃんと残っています。この壁には、第一次世界大戦で負傷し、その病院で亡くなった兵隊さんの名前が刻み付けられています。この豪華ホテルは、病院としての過去も大切にし、フランスの歴史の深さを感じられることがとても魅力的だと思います。私たちは今生きていて、平和の時代である有り難さを感じます。
連載コラム写真
皆さんもご存知かと思いますが、フランスでは、特に日本に比べて、公共施設のお手洗いはあまりきれいではない評判があります。ですが、このホテルはとてもエレガントなお手洗いだったので、写真を取りました。ホテルの隅々まで、徹底的に改装が行われました。
連載コラム写真
ホテル内に、高級レストランEPONAがあります。コロナの影響で、もちろんお客様も減っており、コロナ対策として、テイクアウトメニューが新しくできました。とてもおいしそうなものばかりで、コロナ対策としてはとても賢くてモダンな考え方だ、と思いました。今は、コロナによる「ニューノーマル」な時代で、ワクチンができるまでに、コロナと共存するしかありませんから……。
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