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前回に続き、コロナ禍によって変化したライフスタイル、「スローライフ」についてお話します。
以前このコラムで説明したように、フランスとスイスでは飲食店が閉まっており(注:8月の22日現在は徐々に再開する予定ですが)、テイクアウトしかできない状況で、食事を外で買っても、家で食べるしかありません。日本では、飲食店の営業時間が制限されていますが、おいしいお弁当や様々な新鮮な料理がいつでもスーパーやコンビニで手に入れることができますが、ヨーロッパはそうできません。おいしいものを食べるために、仕方なく、自分で作らなければならないのです。
ロックダウンが始まったときは、皆がパスタやピザなどを買い、とてもシンプルなもので対応していましたが(それでスーパーではパスタが一時期売り切れになってしまうような状態になりました)、コロナ禍が長引くのにつれ、それに飽きてしまって、もっと豪華な料理を作りたい傾向になりました。それでヨーロッパでは、現在「料理ブーム」が起こっています。
料理のブログやオンライン料理教室が人気を増しており、料理の本の売上も急増しています。食材の品質への関心もますます高まっており、買い物は大きなスーパーではなく、ローカル生産や有機栽培の食料品を提供している地元のお店や市場で行う傾向も出てきました。「環境に優しい食材を使おう」という意識も高まっています。
屠殺された動物の運命を意識して、ベジタリアンになる人も増えてきました。そして、お肉を食べ続ける人も、より人道的な飼育方法を大切にし、動物に対する意識や同情も高まってきました。
私も以前から料理が大好きなので、新しいレシピをトライし、友達を招待してホームパーティをしています(人数はコロナで限られていますが、小さなディナーパーティができます)。最近、料理に興味を持ち始めたお友達にも、招待してもらう機会が増えてきており、お互いにレシピの交換も行っています。(次号に続く)