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Le design japonais qu’aiment les Français, Part Ⅲ

フランス人が好きな日本のデザイン その3

前回に引き続き、DIGITAL DAYS – JAPANESE LIFESTYLEというキャンペーンの「ジャパン・デザイン・デイズ」第2日目を紹介したいと思います。

Day 2(第二日:2月15日)

Confort & Serenity(快適さと平静)というキャッチフレーズで紹介されています。

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Les plus belles marques japonaises vous invitent à découvrir leurs nouvelles collections empreintes de douceur et d’élégance. Objets et accessoires répondent à une quête de bien-être et de sérénité pour une véritable harmonie du corps et de l’esprit.

日本の最も美しいブランドは、穏やかさとエレガンスを特徴とする商品コレクションを提供します。心と体の真の調和を目指し、健康や安らぎを追求したオブジェやアクセサリーにインスピレーションを受けてください。

または、ZEN ATTITUDEという表現も使われています。
つまり「禅の姿勢」、「禅の態度」という意味で、それこそが日本人特有の精神、そして美の意識を表現しているように思われています。禅の精神とは、「いま、ここ」を生きることで、自然、不完全なものや、儚いものに魅力を感じるということで、日本の芸術や文化にも強い影響を与えています。その中、「わび・さび」という概念が、全く違う伝統と歴史を持つ西洋人にとっても、一番有名な様子で、大変魅力を感じているようです。

面白いことに、フランス人はwabi-sabiをフランス語訳にせず、そのまま日本語で使っています。または、日本では昔からある「金継ぎ」の技法も、そのままkintsugiとして知られるようになり、壊れたものの欠点を隠すのではなく、割れ目に金を埋め込むことによってその不完全さを鑑賞する、という概念は、ヨーロッパでも人気を増しています。古いものを捨てるのではなく、修理して大切にする、という考えはとてもエコロジー的で、環境を大切にする人々にも好まれています。そういう意味で、日本特有の美意識は、より普遍的な影響を持つようになりました。

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メゾン・エ・オブジェがセレクトした商品の一部です。

1. Bol Senzogan 線象嵌袋鉢・You La

You La社が販売している線象嵌(せんぞうがん)が施された袋鉢です。 Senzogan技法(=金属象嵌)という技法とは、器の表面に線を彫り、彫った線の部分に金属の粉を埋め込んで模様を上がらせるということです。それによってとてもユニークな模様が生まれます。食器だけでなく、アクセサリーケースとしてもおすすめです。

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私は「線象嵌」という技術は初めて知り、とても興味を持ちました。金属と紺色の仕上げのミックスは大変魅力的で、食器として使えば食卓がどれほど美しくなるのか、想像できます。飾り物としても十分楽しめることができるほど綺麗な商品だと思います。先ほど触れた「金継ぎ」の手法にも近い発想だと思います。
https://you-la.jp/collections/senzougan

2. TOUT LE LONG Mobile ・ Tempo

TEMPO社が提供しているモビールです。
Tout le long は、その英語の商品名のThroughout(スルーアウト)のフランス語翻訳です。日本語のウェブサイトを見ると、次のようなコンセプトが書いてありました。

一本の細くシンプルなラインが円を描きながら連らなるアクセサリーのようなモビールです。一筆書きの柔らかな曲線の集まりは、風のない空に浮かぶ雲、あるいは日々成長している植物といった、少しずつ変化していく自然の現象を連想させます。アクセサリーを身に付けるように空間に浮かべることで、いつもの部屋に新しい表情が生まれます。

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個人的には、とてもシンプルなアイデアですが、そのモビールの丸いラインはとても柔らかく、それは静かに動いていると想像すると、静かで安らかな気分になるでしょう。禅の「静寂」というコンセプトの一種を表現していると思います。
https://www.t-e-m-p-o.com

3. ORIAMI Red・Ishikawa Wire netting Company石川島播磨重工業

そのバラは、折り紙のようですが、実際はスチールワイヤーからできているのが特徴です。次のように紹介されています。

Oriamiは、世界初の折りたたみ式ワイヤーネットです。Fabric Metalsというユニークな素材を使用し、布のようにしなやかで髪のように張りがある金網を使い、紙で作る折り紙と同様に折ることができます。「おり網み」とは、日本が誇る伝統文化「折り紙」と石川島播磨重工業の独自技術との融合によって生まれました。

私にとっては、日本で昔からある「折り紙」の技術からインスピレーションを受け、金網で様々なシェープに仕上げることはとても新鮮で面白い案だと思いました。紙と違って壊れないし、破れないし、しっかりと形状を保ち、「永久に楽しめる」オブジェになります。
https://oriami.jp

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今回のセレクションも、日本のデザイナーと職人たちは、日本の様々な伝統、そして最新技術を組み合わせて、様々な美しい商品を生み出していることを表現し、それこそがフランス人に、高く評価される理由だと思います。 西洋の文化では、よく「伝統」と「技術革新」(モダン)を区別し、対立させる傾向がありますが、日本でそのような対立がなく、とても自然に融合させていることは大変興味深いと思います。

(次号に続く)

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