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前回に続き、京都・無鄰菴で行われた展示会についてお届けします。
「ROSETHémicycle(ロゼヘミシクル)」シリーズの展示が行われた無鄰菴はとても素晴らしいところで、京都であまり知られていないようで、ここでご紹介したいと思いました。
無鄰菴は明治・大正時代の政治家山縣有朋の別荘として建てられ、庭園と母屋・洋館・茶室の3つの建物によって構成されています。庭園は七代目小川治兵衛により作庭され、近代日本庭園の傑作として見られています。
少し専門的な話ですが、それまでの池を海に、岩を島に見立てる象徴主義的な庭園から、里山の風景や小川そのもののような躍動的な流れをもつ自然主義的な新しい庭園観を表現しています。京都の南禅寺界隈別荘群の中で唯一通年公開されている庭園で、昭和26年(1951年)に国の名勝に指定されました。
洋館の2階には、伊藤博文らと山縣有朋が日露開戦前の外交方針について話し合った「無鄰菴会議」に使われた部屋もあり、当日の様子を今に伝えているそうです。つまり、日本の文化と歴史の豊さやキーポイントを表現している場所です。
それこそ、リーン・ロゼのソファがそこで展示されたことは、仏日関係においてもとても有意義なことだと思います。私も無鄰菴に行ったことがないので、今度京都へ行くときにはぜひ見てみたいと思います。
しかしその素敵な商品にもう一つの特徴があります。それは、フランスの「モビリエ・ナショナル (フランス国有動産管理局) 」という施設とリーン・ロゼの提携から生まれたとのことです。「モビリエ・ナショナル」とは、フランス特有の機関で、とても長い歴史を持っており、フランスの伝統的な家具を保存すると同時に、新しいデザインや商品も生み出しています。
フランスの大使館や省庁を含むフランス共和国の様々な場所に家具を提供しています。そこで、「モビリエ・ナショナル」はフィリップ・ニグロ氏の「ROSETHémicycle(ロゼヘミシクル)」のデザインに興味を持ち、リーン・ロゼと協力して開発・製造することになりました。
「ROSETHémicycle(ロゼヘミシクル)」はおかげで永遠にフラス共和国の宝物として保存され、大使館など、様々な高貴な場所で使われることはロゼ社とロゼジャパンにとっても大きな名誉です。
また、京都のイベントですが、「モビリエ・ナショナル」はその主催者の一人であり、その経緯もあり「ROSETHémicycle(ロゼヘミシクル)」が無鄰菴で展示されるようになりました。
実は、10月25日に、京都の「ニュイ・ブランシュ」イベントの一環として、トークイベントが開催され、そこに「モビリエ・ナショナル」の理事長であるHervé Lemoine(ヘルベ・ルモアヌ)氏も参加し、「モビリエ・ナショナル」について紹介してくださいました。せっかくのチャンスなので、それを機に、次回は「モビリエ・ナショナル」についてもっと詳しくご説明したいと思っています。